
抄紙機プレス用ストーンロールに発生するブラッキングの最新対策について
昨今、抄紙機に発生する諸問題の中で、プレス・ストーンロールに起因する「ブラッキング」は、特に生産性に大きく影響を与えてしまうトラブルのひとつではないかと考えます。
この「ブラッキング」が度重なり解決に至らないため、やむを得ずロール自体を更新して表面素材の変更を余儀なくされているケースも近年特に多くなって来ている様に見受けられます。
1.「ブラッキング」は如何にして発生するのか?
「ブラッキング」とは、製品の流れ方向にあたかも鉛筆の芯で黒い線、あるいは破線を描いたが如くの模様が出てしまうトラブルで、予測することも困難であり、さらに一旦発生すると継続して品質不良品を大量に出してしまうというとても厄介なトラブルです。
この原因にはいろいろな説があり、未だお客様によっては間違った認識を持っておられるケースもあるようですが、最近では弊社のテストにより大凡の要因が判明して参りました。
@「ブラッキング」が発生する条件とは?
一 般的に「ブラッキング」は、天然ストーンロールにステンレスブレードを当てることにより発生すると言われております。しかしこれだけでは「ブラッキング」に至っていないケースも多く、さらに発生し易い条件として、ドクターシャワー水量が少ないのにもかかわらず、ロール使用開始直後より必要以上にドクターニップをかけ過ぎたため、ストーンロール表面が焼き付いた状態であること、また表面に石英分が多く含まれているロールであることなどが挙げられ、こういう条件が重なることによって「ブラッキング」発生率が高くなるとの指摘もあります。
A黒筋が発生するメカニズムは何か?
メインプレスロール用ドクター装置の役割は皆様御周知の通り、ロール表面の水を切ることとともに原料から常時運ばれてくる毛羽立ち(微細繊維)を掻き落とし、ロール表面を常にクリーンに保って紙切れを減少させる、そして製品の品質安定を保つことを主な目的としておりますが、このためにはストーンロールにステンレスブレードをかなり強い力で押し当てる必要があり、特に昨今の抄紙機ではいろいろな薬品等添加物の増加により、毛羽立ちの剥離性が悪化している中で、抄紙機全体の平均値でセンターロールドクターの場合、ドクターニップが約400〜550g/cmというレベルで運転されているのが実情です。
このことは取りも直さず、ステンレスブレードの磨耗が著しいことに繋がり、このステンレスの磨耗した粒子(微細な鉄粉)がストーンロールのポーラス(表面の小さな穴)に入り込み酸化されて錆びの粉となり、さらに紙とロール面との間に入り込んでロールニップにより紙に押し当てられて黒筋模様を転写して行く、この繰り返しにより現われる現象がここで言うところの「ブラッキング」であります。
従って、ストーンロール表面が荒れていたり、ポーラスがもともと多いようなロールは他のストーンロールに比較して「ブラッキング」発生の可能性が高いと考えられます。
また、ドクターニップを下げることにより「ブラッキング」発生が減少するのは、ステンレスブレードの摩耗がニップを下げることにより押さえられるからであり、錆びた摩耗粉の発生が減少するからであります。
さらに一旦発生するとしばらく継続される理由は、ポーラスの中に「ブラッキング」の原因となる摩耗粉が蓄えられているためで、この主原因となる錆びた粉を除去出来ない限り、発生は押さえられないことが最大の悩みの種であります。
「ブラッキング」の有効対策につきましては、弊社スタッフにお問い合わせ下さい。
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